今年も「宮崎SHOCHU Mix Up Week」が始まりました。宮崎県から24の蔵元、全国で234店舗が参加し、焼酎を使用した500種近いオリジナルメニューが誕生! 参加店舗では、どんな焼酎カクテルが飲めるのでしょうか?
3店舗目にご紹介するのは、鎌倉・長谷の「割烹・蕎麦 波と風」。明石酒造株式会社の芋焼酎「月一雫 原酒」と、麦焼酎「月の女神 樽貯蔵熟成酒」を使って焼酎カクテルを創作された柴山波瑠奈さんにお話を伺いました。

―ご夫婦で割烹料理屋を営まれて8年目と伺いました。波瑠奈さんがお酒、ご主人がお料理担当で。お料理に合わせて焼酎を召し上がるお客さんも多いと思いますが、どのような飲み方をされていますか?
ロックやお湯割り、蕎麦湯割り、それから柑橘と炭酸でサワーのようにして召し上がっていますね。当店で一番人気なのが、濃いめの蕎麦湯割りです。口当たりが柔らかく、蕎麦湯の甘味も感じられますよ。いま8種類ほど焼酎を置いてありますが、どんなタイプにも合います。
―今回、カクテルに使用される焼酎について教えてください。
本格焼酎「明月」で知られる、明石酒造さんの焼酎です。1杯目が、芋焼酎の「月一雫 原酒」。上品ですっきりとした香りと丸みのある味わいで、雫のきらめきをイメージした美しいボトルデザインになっています。原酒ならではの旨味もありますし、クオリティがとても高い商品だと感じました。とろりとした舌触りを活かすため、冷凍庫で冷やしてからカクテルに使用しています。


―原酒でアルコール度数が高いから、冷凍しても凍らないんですね。
バーではジンやウォッカなどのスピリッツを冷凍庫で保管することがありますが、冷凍しても凍らずに、とろっとした口当たりになります。冷凍した月一雫をソーダで割って、スロージン(※)を沈めるだけのシンプルなレシピで、飲み進めていくとスロージンのフルーティさと繊細な甘さが加わっていきます。月の“雫”とスロージンを“沈める(ドロップする)”に掛けて、「ルナ ドロップ」というカクテル名を付けました。
※ スロージン
すももの一種、スローベリーをスピリッツに浸けたリキュール。
―はじめはクリアな印象でしたが、ふんわりと甘味が広がってきました。シャンパングラスも素敵です。
水出しの緑茶で割ったり、柚子やすだち、かぼすなど和の柑橘を使ったリッキースタイル(※2)も合うと思います。月一雫は上品な味わいですから、レモンやライムよりも酸味の柔らかい柑橘がいいですね。フードペアリングには、当店のメニューにある「あん肝の有馬煮」をお勧めします。きりっとした味わいのカクテルなので、甘味や脂をやや感じるお料理が合いますね。甘辛い味付けのものや揚げ物、例えば手羽揚げのような。
※2 リッキースタイル
スピリッツにライムまたはレモンを搾り、ソーダで満たすスタイルのカクテル。


―そちらに置いてある「月の女神」も、同じ明石酒造さんの焼酎ですね。
大麦を主原料に造られた麦焼酎で、原酒を木樽で貯蔵熟成させています。麦のコクとチョコレートのような香り、まろやかで濃厚な味わいとシェリー樽熟成の旨味を感じる焼酎ですね。こちらで2杯目の焼酎カクテル「ブラック マンハッタン」をお作りします。ウイスキーをベースに、スイートベルモット(※3)とアンゴスチュラ ビターズ(※4)をステアして作るスタンダードカクテル「マンハッタン」のアレンジです。
※3 スイートベルモット
ベルモットは、白ワインをベースに香草・薬草類や糖分などを加えて造られるフレーバードワイン。辛口のドライベルモットと、甘口のスイートベルモットがある。
※4 アンゴスチュラ ビターズ
強い苦味や香りを持つリキュール「ビターズ」の代表的な銘柄。
―「マンハッタン」のアレンジを思い付いたのは、ウイスキーのように樽で熟成された焼酎だからでしょうか。
そうですね。ほかにも「ボニースコット」や「チャーチル」(※5)が思い浮かびました。すっきりした芋焼酎ならジンやテキーラ、フルーティな芋焼酎ならウォッカ、そして麦焼酎ならウイスキーベースのカクテルに代用できると思います。特に月の女神は熟成感があって香ばしく、ウイスキーのようなニュアンスがありました。焼酎は日本のスピリッツですし、当店も和食をお出ししているので、何か和素材を加えようと選んだのが黒豆の蜜。黒豆を焚いた時に出る蜜で、奥深い味わいになります。この黒豆を使った定番のデザート「黒豆と黒豆きな粉のババロア」を召し上がりながら、カクテルをお楽しみください。
※5 ボニースコット
スコッチウイスキー、ドランブイ、レモンジュースをシェイクして作るカクテル。
チャーチル
スコッチウイスキー、コアントロー、スイートベルモット、ライムジュースをシェイクして作るカクテル。


―ロックや蕎麦湯割りを提供することが多い中、焼酎カクテルを創作されるのは大変だったと思います。
焼酎は原料や造り方による風味の幅がとても広く、それぞれの性格を探る作業が大変でした。自分が想像していたものと、実際の味わいが結構違っていたりして。でも、風味だけでなくアルコール度数が20度から30度以上と幅広いのも魅力で、お客さまのニーズに合わせてさまざまな角度から選択できます。実際、お客さまからは「焼酎もカクテルにできるんだ」という驚きや、「料理と合う」「ボトルが綺麗」「カクテルにするとオシャレ」といったお声を頂きました。これからもさまざまな飲み方をご提案しながら、焼酎の魅力を広めていきたいです。
(※ 取材時、カクテル2杯とは別に明石酒造さんの特別限定芋焼酎「?ないな」を使った蕎麦湯割りを作って頂きました!)
カクテル①
ルナ ドロップ Luna drop
ベースの焼酎:芋焼酎(月一雫 原酒/明石酒造)
材料
- 芋焼酎(月一雫 原酒) 40ml
- ソーダ 適量
- スロージン リキュール 5ml
作り方
- 冷凍庫で冷やした月一雫をシャンパングラスに注ぐ。
- ソーダを加えて軽くステアし、スロージンを沈める。
焼酎① 月一雫 原酒
宮崎県産のさつまいも「コガネマサリ」を主原料に、黒麹で仕込んだ芋焼酎の原酒。芋焼酎の原料に使われるさつまいもの品種といえば「コガネセンガン」が代表的だが、品種改良して生まれたのがコガネマサリ。
カクテル②
ブラック マンハッタン Black Manhattan
ベースの焼酎:麦焼酎(月の女神 樽貯蔵熟成酒/明石酒造)
材料
- 麦焼酎(月の女神 樽貯蔵熟成酒) 40ml
- 黒豆の蜜(自家製) 10ml
- スイートベルモット 10ml
- (ガーニッシュ)黒豆 1個
作り方
- 材料をステアして、カクテルグラスに注ぐ。
- カクテルピンに刺した黒豆を飾る。
焼酎② 月の女神 樽貯蔵熟成酒
歴代の女性杜氏が丹念に仕上げた熟成酒で、麦のコクや旨味、心地良い樽香を感じる逸品。
蔵元 明石酒造株式会社
https://www.meigetsu.co.jp/
割烹・蕎麦 波と風
神奈川県鎌倉市長谷1-16-21 新倭人館2F
0467-95-1988
http://namitokaze.xyz/