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株式会社酒蔵王手門

brewery

株式会社酒蔵王手門

酒蔵王手門の歴史

昭和天皇に献上も

 1895(明治28)年、日南市飫肥で焼酎醸造を始めた酒蔵王手門。門下一平氏が個人商店として創業しました。代表銘柄「銀滴(ぎんてき)」は、一平氏が蒸留時に最初に垂れてくる滴を見て、銀のようにつやつやと輝いている様に感動し、名付けられました。1935(昭和10)年に昭和天皇が来県された際には「献上酒」として選ばれています。

 1995(平成7)年に門下酒造合名会社から王手門酒造合名会社に社名変更。また2005(平成17)年にはより良い環境を求めて北郷町に蔵を移転しました。2009(平成21)年に王手門酒造株式会社に、2015(平成27)に株式会社酒蔵王手門に社名変更し、創業以来の「銀滴」の味を守り続けるだけでなくさまざまな発想を盛り込んだ斬新な焼酎を提案しています。

造りへのこだわり

高温発酵仕込み

オンリーワンの仕込みやブレンド

 酒蔵王手門の焼酎造りの特徴の一つは、独自に研究開発した「高温発酵仕込み」。一次仕込み・二次仕込みの際の温度を高めに設定し、徹底して管理しています。こうすることで芋や麦、米の風味や甘みをしっかりと引き出すことに成功しました。

 また、ブレンドに対する考え方もユニーク。普通は味を調整するためにブレンドをしますが、酒蔵王手門では「原料それぞれの良さを引き立たせる」ためにブレンドを行っています。

 例えば、酸味の強い”タイ米”と甘みが強い”県産米”を白麹でそれぞれに仕込んだ焼酎をブレンドした「超越」や、甘みのある”紅芋”と酸味と香りが特徴的な”あや紫”という二種類の芋を、低温長期もろみ熟成させた「牢」など、今までになかったオンリーワンの味わいの焼酎が誕生しています。

 機械やコンピューター任せにせず、仕込みや櫂入れの手間を惜しまない蔵人たちが、さらに新しい味を追求しています。

蒸留やろ過で個性的な味に

 さまざまな素材を掛け合わせるだけでなく、蒸留やろ過にも独自のこだわりが。主力銘柄の「不阿羅王(ファラオ)」は、常圧と減圧の二つの蒸留方法で造られた焼酎をブレンドしていますし、「超越」は蒸留時に垂れ口温度をかなり低めに設定しています。

 また銘柄によってはろ過した焼酎と無ろ過の焼酎をブレンドしたものもあり、個性豊かな味わいが楽しめます。

蒸留やろ過で個性的な味に

酒蔵王手門の焼酎

宮本武蔵の人生を焼酎で表現

 小売専売の商品は、宮本武蔵の人生を5つの銘柄で表現するというユニークな展開をしています。

 「惡のくろぶか」は、武蔵がその風体容姿から「悪童」と呼ばれていた頃のみなぎる力や、やり場のない鬱蒼とした状況から脱出するしようとする様をイメージした焼酎です。ラフな感じ(悪童)を表現するために黒麹仕込みの八分無ろ過で仕上げてあり、コクのある風味が特徴。「牢」や「銭にあらず」といった銘柄も、武蔵の人生の転換期を造りや味わいで表現しています。

 そして、2015(平成27)年2月にこのシリーズの完結商品「超越」が発売されました。剣の道を極め、晩年は芸術家として水墨画や工芸品を残している武蔵がたどり着いた境地をイメージして造られています。

 原料の芋は甘みの強い鳴門金時を使用し、仕込みや蒸留、ブレンドにこだわり、ほどよい酸味と香り、甘みのバランスがとれた味わいに仕上がっています。

取材一口メモ
宮本武蔵シリーズの「牢」は、ラベルもユニーク。

宮本武蔵シリーズの「牢」は、ラベルもユニーク。素材はなんと”畳”。ほのかにい草の香りがします。関ヶ原の戦いで敗れ、牢獄に入れられた場面をラベルでも表現しています。骨太でコクのある味わいなのだそう。写真左の「超不阿羅王」のラベルはゴム素材。酒蔵王手門の焼酎には「えっ、なに!?」「おもしろい!!」と驚かされる発想がたくさん詰まっていました。

 

オユワリノススメ

オユワリノススメ

 酒蔵王手門では「お湯割り」を積極的に提案しています。お湯で割ることで焼酎の風味がより引き出されるだけでなく、体を温め酔いざめも良いというメリットもあります。初めて飲む人や女性にもおすすめの飲み方です。飲み方や銘柄などをまとめたポップを制作し、小売店や飲食店に配布しています。これを読めばお湯割りがもっと楽しく飲むことができるはず!

取材一口メモ
ラベルやポップなど、おしゃれなアイテムが多い王手門酒造。

ラベルやポップなど、おしゃれなアイテムが多い酒蔵王手門。実はデザインも自社のデザイナーがしているからなんです。蔵に併設されているギャラリーも、インテリアショップのような雰囲気。酒蔵王手門は、古くから親しまれている焼酎文化の中に、新風を吹き込む存在のように感じました。

 

杜氏紹介

杜氏 高橋重吉氏

杜氏 高橋重吉氏

 焼酎をもっと楽しんでいただきたいと、自分たちの想いを伝えるためにさまざまな工夫をしています。蔵に来て雰囲気を感じてもらったり、焼酎に詳しいお店に行って話を聞いたりしてから飲むと、より一層焼酎の良さが分かっていただけるのではと思います。ぜひいろんなシーンで焼酎と出会ってみてください。

会社概要

会社名 株式会社酒蔵王手門
住所 宮崎県日南市北郷町大藤甲898-8
電話 0987-21-7717
FAX 0987-21-7727
蔵見学 少人数可(事前に電話で問い合わせ)
webサイト http://www.ohtemon.jp/

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