幸蔵酒造の歴史
大正の頃から続く甕壷仕込み
蔵の名前は、おいしい焼酎を提供できる感謝の心を「幸せ」と感じる「蔵」でありたいという願いを込めて、2003年(平成15年)8月に「宮崎県酒造」から「幸蔵酒造」に変更しました。その創業は大正8(1919)年にさかのぼります。
宮崎の焼酎は20度が多い中、幸蔵酒造は基本が25度。「こちらも20度を飲まれる方が多いんですが、うちの25度は『口当たりがまろやかで、度がきつい(強い)感じがしない』と言われます」と専務の上園田慶蔵さん。酒飯会社の要望もあり、麦、芋で20度を造っていますが、販売は県内限定となっています。
蔵のこだわり
素焼きの甕壷、蔵付き菌、そして大地が醸す
仕込みに使うのは、創業当時から使い続けるものもある甕壷(かめつぼ)。伝統的な素焼きの甕壷は通気性があり、中の発酵を助けます。また、首まで埋まった甕壷を抱いている地面は、火山灰が堆積した南九州特有のシラス。
「昔からこうやって土に埋め込んで使っていて、地面からの温度や空気が、甕壷の中に伝わるんでしょうね。原料の配合だけでなく、何かそういったものうまく働いてが、この蔵独特のまろやかな味を造っていくんだと思います」(上園田さん)
年代物の板壁の蔵は、創業時から残っている部分もあるそうで、壁や天井に蔵独特の蔵付き菌(酵母)があり、これも焼酎の味を決める大事な要素となっています。
全工程手作り。仕上げのラベルも粋に
原料の芋、米は主に南九州産、麦は主に九州産。大事な水は敷地内に湧き出る地下水を使用しています。こうした厳選した原料から、全ての段階において手作業をし、期間も長く仕込み、単式蒸留機でじっくりと蒸留。そして再び甕壷に貯蔵し、熟成させるため大量生産はできません。
そうして仕上げのラベル張りまで1本ずつ手張りです。風合いのある和紙を使ったラベルをボトルの首や肩に。ボトルのデザインのように斜めに張るのも手張りならではの粋な仕上がりです。
初留で造る干支の焼酎
贈り物に人気の壷風の陶器ボトルに入った『半ぴどん』(芋、35度、竹柄杓付き陶器、720ml)や、水色のボトルがワインのようでおしゃれな『紫芋也(むらさきいもや)』(芋/アヤムラサキ、25度、500ml)などは限定商品として造っています。
中でも、初留(しょりゅう)で造る『干支(えと)』(芋、43度、360ml)は、コレクターもいる人気。初留は、蒸留する際に最初に出てくる焼酎で、初垂れ(はなたれ)とも呼ばれます。アルコール度数は60数度もあり、これを割り水して45度以下にしたもの。
若い人たちへのメッセージ
『生(き)』でぐいっとやる醍醐味
焼酎の力強い風味やのどごしを味わってみるには、『生』がおすすめ。もちろん、こだわりの25度。伝統の甕壷で丁寧に醸した、まろやかでコクのある味や香りを味わってみてください。
会社概要
会社名 | 幸蔵酒造株式会社 |
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住所 | 串間市大字串間1393-1 |
電話 | 0987-72-0305 |
FAX | 0987-72-6363 |
蔵見学 | 不可 |
webサイト | http://www.kouzou-shuzou.co.jp |